一昔前には、映像制作といえばもっぱらその道のプロの仕事であるか、せいぜいがセミプロと呼ばれるような人が行うものでした。しかし、今では本当に誰もが映像制作を行っている、といっても過言ではない時代となりました。というのも、デジタルカメラの驚異的な進歩と普及によって、今では携帯電話で映像を撮ることも簡単にできるようになったために、誰もが手軽に映像制作を行えるようになったからです。とはいっても、もちろん、作品として多くの人々に鑑賞してもらえるようなレベルの映像作品を作る、ということになれば、これにはそれだけの力量が要求されますから、やはりプロの仕事である、といった点では今でも何ら変わることはありません。

しかし、誰もが安価に手軽に、高性能なムービーカメラを手にすることができる時代になったことで、かつてならば、まだ高価であった映像撮影用のカメラを手にすることができなかったばかりに、映像制作への意欲を断念せざるを得なかったような人が、今では思う存分に、自分の映像を撮ることができるようになったということは、やかり画期的なことであると言えるでしょう。このことは、特にドキュメンタリーのジャンルにおいて顕著なことで、演技のできる俳優という存在(キャスト)が不可欠である劇映画とは違って、現実社会の様々な側面を映像として記録する、ということによって成り立つドキュメンタリーというジャンルでは、まさにその映像制作を行う作り手によって映像作品が生まれるために、そうしたカメラの制約というものが大幅に緩和されたことで、埋もれていた才能が続々と開花する、といったことが可能となったのです。